観光バスの車種
バスの車種は大きく分類すると「大型バス」「中型バス」「小型バス」の3種類です。
大型バス(全長9メートル以上又は定員50人以上)
日本国内でいう大型バスのほとんどは全長11.99メートルの車両です。
標準的なバスは座席が11列設置されて本席45席+補助席8~10席となっています。
バブル時代には前後のシート間隔を広くとって30人乗や41人乗などの豪華な装備を施したバスも多数製造されましたが、現在では全席前向きで利用したり、後部座席の一部を回転させてサロンにできたりと用途に応じて回転できるバスを採用する会社が多いです。
また、12列シートの49本席という車両もここ数年は少なくなっていましたが、近年またこのような車両のニーズが増えたのか、徐々に増加してきました。
12列シートの場合はシートピッチが狭くなるので回転サロンにならない場合が多いです。
この他にも山岳地方用に製造された「ショートボディー」と呼ばれる大型バスが存在します。全長が50センチほど短いのに定員は55名でホイールベースも短くなっていて狭いトンネルなども通行できる特別なバスですが、素人が見ただけでは普通のバスと見分けがつかないかもしれません。
30人乗りでも60人乗でもバスの大きさはほとんど変わりません。
ただ、新型車両のほとんどはエアコンが直結式になり、トランクルームの容量が大きくなっています。観光バスは年々進化しています。乗降時のみ車高を低くして乗り降りを楽にするサスペンション、自動制御で日差しの強い箇所に特に冷気を送り込み、車内の温度を均一に保つフルオートエアコンシステムなど、新しい技術を取り入れたバスが近年増えてきています。
このほかバスの設備や構造によってもいくつかの種類に分類されます。
例えばダブルデッカーと呼ばれる「2階バス」は2階部分が52席・1階部分が16席で同じ12メートルでも68人が乗車できます。
観光用に人気の「高床式バス」はスーパーハイデッカーや中2階バスなどとも呼ばれ、トランクが大きく乗客の視線も高くなり、眺めもよくなります。高床式バスを指定した予約は、指定なしバスよりも運賃が割り増しになります。
また、地域によってはトイレ付きバスや車椅子用のリフト付きバスもございます。
大型バスのシートレイアウト例
正シート45~49が多いです。
中型バス(大型でもなく小型でもないバス)
セレガショート メルファ
中型バスは全長8.99メートルというのが多いですが、中には8.5メートルの中型バスもあります。中型バスには高速道路の通行料が特大車扱いになるものと大型車扱いになるものがあり、特大車は大型バスと同じ通行料金がかかるので、大型車扱いの通行料金の1.5倍ほどかかります。全長9メートル未満で同じ大きさのバスですが、通行料区分とバスの車種の区別とで基準が異なる為このようになります。
定員30名以上のバスは通行料は特大車で、定員30名未満の通行料は大型車になります。
中型バスでよくある定員27人乗は(30人未満なので)通行料が安い大型車料金になりますが、33本席+補助7席などの40人乗中型バスの場合は、40人乗れますが全長が8.99メートルなのに通行料金は大型バスと同じ特大車料金になります。
通行料区分が特大車の中型バスは九州地方、沖縄地方、北海道地方に多く見られます。一方、関東地方、東海地方、近畿地方の中型バスは通行料区分が大型車のものが多く見られます。首都圏や関西圏では台数が少ない33人乗の中型バスを探すよりも、台数が豊富な大型バスを手配したほうが安く付く場合もあります。
中型バスのシートレイアウト例
正シート25~28が多いです。一部地域では33席もあります。
小型バス(全長7メートル未満・定員29人以下)
小型バス・リエッセ マイクロバス
全長7メートル未満、且つ定員29人以下のバスを「小型バス」あるいは「マイクロバス」と呼びます。「小型バス」と「マイクロバス」とを区別して取り扱っているバス会社や旅行会社と「小型バス=マイクロバス」と呼んでいるバス会社や旅行会社がありますので注意が必要です。
当社では「エンジンが後部床下に備え付けてあり、前ドアで乗降するバス」を「小型バス」とし、「エンジンが前部床下に備え付けてあり、中央部のドアから乗降するバス」を「マイクロバス」と呼んでいます。全長7メートルで4席×5列や4席×6列などの20人~24人乗の小型バスは現在各バス製造メーカーが製造を中止していますので、今後老朽化とともに減少すると考えられます。現在唯一製造されている日野リエッセはリアエンジン前ドア乗降ですが幅が2メートルしかないので3列シートとなり、定員は19本席+補助5の24人乗や22本席+補助6の28人乗といったレイアウトになっています。
小型バスのシートレイアウトの例(正シート20~24が多い)